
ひとりひとりの心のなかにある、それぞれの
なつかしいまほろばの風景をつなげていきたい。
そんな思いを色々な目線でコミュニティどうし語りあい
手をつなぎ、心地よい「まほろば」へ育てていく。
そんなネットワーク、広げませんか!

昨年2008年度のまほろばロードは、平城京から藤原京・飛鳥京と古の都を東の山沿いに歩いて、歩くメンバーのいろいろな視点で観光の振興や町づくりに活かせる要素を調査し抽出しました。2009年度は、まほろばロードを歩いて楽しむための拠点づくりや、拠点を中心に半日程度の散策マップづくりに着手します。
手始めにご協力いただいたのが、情報拠点候補として山の辺の道沿いの「卑弥呼庵」さんと、「柳本もてなしのまちづくり会」のみなさま。周到に準備いただき、おかげで語り部と歩く半日程度のツアーの楽しさを存分に味わうことができました。柳本の経験に学びながら、遷都1300年の歴史を刻んできたまほろばロードの魅力を発掘し、ホームページやブログでご紹介していくのが2009年度のテーマです。
<集合日時・場所>
平成21年5月16日(土) 9:30am JR柳本駅
<行程>
JR柳本駅→黒塚古墳・展示館→専行院→伊射奈岐神社→・天神山古墳→(景行天皇稜)→卑弥呼庵→崇神天皇陵・櫛山古墳→トレイルセンター→長岳寺→五智堂→光連寺跡→JR柳本駅
[本日の語り部]
●「柳本もてなしのまちづくり会」原田敢(はらだすすむ)副会長
ボランティアガイドの会にも参加されている地元の語り部ならではの視点で全コースをご案内いただきました。以下のレポートの愉快な発見や体験も原田さんのナビゲーションのたまものといえます。
[面白エピソード]
●黒塚古墳
柳本駅から程近いところにある黒塚古墳は、駅が無人駅になったとたんに1面の画文帯神獣鏡、33面の三角縁神獣鏡が発見され、平成10年(1998年)1月17/18日に行われた現地説明会には約2万8千人の見学者が集まり大混乱になったといいます。
その古代の宝物が奇跡的に守られたのは南海地震で石室が崩壊したおかげとか。南海地震は日本書紀に記された684年の地震が最初。以後7回の南海地震があり盗掘者の進入を阻んできたことが地質学研究者の現場調査で分かっているそうです。それにしてもよく残ったものと思うのは、この黒塚古墳、戦国時代に古墳に柳本城を築城、江戸時代にも織田家が城跡に柳本陣屋を構築し柳本藩藩庁とした歴史があるからです。
黒塚古墳展示館でこれまでも見ていた木棺の跡に残る赤い染みが何なのか今回始めて知りました。原田さんは卑弥呼の時代の葬送の儀式「もがり」の想像図を用い、不老長寿の薬と信じられていた水銀朱を参列者でかけた痕跡と説明してくださいました。
●天神山古墳
国道169号線整備のため南北真っ二つになり東半分が削り取られた気の毒な古墳として見せていただきました。ただそのおかげといっていいのか、未盗掘の竪穴式石室が完全な形で発掘されました。人を葬った痕跡がないため副葬品だけを納めた崇神天皇陵の陪塚の一つと考えられてきましたが、近年になって幼児を埋葬した古墳の可能性も指摘され、平成21年3月には県史跡となったそうです。原田さんから見せていただいた橿原考古学研究所に移された石室の写真でも大量に注がれた水銀朱跡がありました。
●崇神天皇陵
地元では行燈山古墳と呼び習わされてきた「崇神天皇陵」、以前は景行陵とされていたこともあるとか。崇神天皇は大和政権の初代大王ともいわれ、女王卑弥呼とほぼ同時代の天皇として、今後、発掘調査などでベールがはがされていくことが期待されます。
崇神天皇陵の現在の姿は幕末に柳本藩が水不足に苦しむ農民のために潅漑利用も兼ねて大改修した結果だそうで、周濠がとても綺麗です。春秋のお彼岸の頃、この周濠から二上山に沈む夕日のカメラアングルを求めて多くのカメラマンが訪れるとか。
「人」
●柿の木の下のベンチでもてなす浜田守さん
この近くの山の辺の道沿いに「柳本もてなしのまちづくり会」のメンバー浜田守さんの畑があります。浜田さんの畑も柿の木の間から見える夕日のポイントの一つ。浜田さんは柿の木の下に手製のベンチをこしらえ絶景に集う人々に積極的に話しかけながらもてなしているそうです。
「店」
●卑弥呼庵
浜田さんが山の辺の道のとっておきの休息スポットとして卑弥呼庵を紹介しています。浜田さんの畑から三輪方面に少し歩いたところにあります。三東政幸さん伊勢子さん夫妻が縁側のある普通の田舎家の自宅をそのまま使って開いている喫茶店で、メニューはお茶の先生でもある奥さんの抹茶と、ご主人の茶筅で泡立てたボリュームたっぷりの和風コーヒーだけ。話し好きなお二人を慕って毎年訪れるファンが多いといいます。
「寺院」
●長岳寺&五智堂
花のお寺として知られる長岳寺の参道には人出を数える仕組みがあることをはじめて教えていただきました。一定間隔で設けてある段差の上に人が一杯なら約何人と計算できるそうです。長岳寺には飛び地境内があってそこに奈良時代創建の重要文化財五智堂が建っています。楊樹(柳)の霊地に建てられたとかで、柳本の地名の由来にもなっている大切な建物ずですが、すっかり地域の雰囲気に溶け込んでいるのがいいなと思いました。
「まとめ」
一般のウオーカーにとって興味深い柳本を目一杯ご案内いただきました。今後体験スタッフが半日散策マップとして改めて整理するなどし、今後拠点をお引き受けいただいたところに散策マップなどを置きあえたりしたらいいなと考えています。
黒塚古墳展示館で原田さん
柿の木の下のもてなしベンチ
拠点をお願いした卑弥呼庵