
ひとりひとりの心のなかにある、それぞれの
なつかしいまほろばの風景をつなげていきたい。
そんな思いを色々な目線でコミュニティどうし語りあい
手をつなぎ、心地よい「まほろば」へ育てていく。
そんなネットワーク、広げませんか!

まほろばロードは平城京から藤原京・飛鳥京と古の都を東の山沿いに歩いて、歩くメンバーのいろいろな視点で観光の振興や町づくりに活かせる要素を調査し抽出する試みです。第7回フィールドワークは古代に飛鳥京や藤原京、平城京から海外へとつながる大和川の上陸地点にあった海柘榴市(つばいち)周辺と、海柘榴市を玄関とする山の辺の道を大神神社まで歩きました。おりしも大神神社駐車場では現代の奈良県下のまちおこし団体の見本市「奈良まちおこし結び会」が開催されていました。
<集合日時・場所>
平成20年12月6日(日)10:00am 近鉄桜井駅北口
<行程>
本町商店街~山本邸~杉村邸~安田與重郎生家~木材振興センター(あるぼ~る)~とれとれ市場~仏教伝来之地碑~海柘榴市(つばいち)観音~海柘榴庵(つばきあん・鍛冶屋の窯)~金屋の石仏~平等寺~大神神社~結び会(むすびえ)~三輪座にて本日のまとめ
[人]
●三輪座 中尾七隆さん 栄嶋まゆみさん
中尾さんには旧伊勢街道沿いの注目建築物を含め全コースをご案内いただきました。栄嶋さんには、保田與重郎と第十代崇神天皇に関する資料の用意と解説をいただきました。
●桜井市観光課 松本美智代さん
山の辺の道関連資料の準備とご案内いただきました。
●木材振興センター(あるぼ~る)前川さん
移転オープンした「あるぼーる」の概要を説明いただきました
[生き方]
●海柘榴庵・鍛冶屋の窯(つばきあん・かじやのかま) 梅田幸二さん。
「金屋」という古くからの鍛冶屋のまちで、先代まで鍛冶屋だった家の八代目という梅田さんが、生家である築200年の古民家を生かし、独特のマキの窯でやきものを焼く「海柘榴庵・鍛冶屋の窯」を営んでおられます。早期退職を選び、山里の暮らしと景観を守るボランティアにも取り組みつつ、好きな仕事に打ち込む梅田さん。そんな生き方をを羨ましいという見学者に対しては、口にこそ出さないが「羨ましければ君らもリスクを背負ってやれば?」と腹の中で思うことが多いと聞きました。
山の辺の道でつながる風景街道沿いで、元気な第二の人生を送る人をネットワークするのも風景街道のまほろばホームページの役割かも知れません。
[情報拠点]
田舎暮らし・山村暮らしに憧れる人が一定程度はあります。梅田さんの話によれば、山の中にある集落の不便なところほど空き家が目立つそうです。昔は売る人もがなく朽ちるに任せる空き家が多かったが、最近はあきらめて売る人(世代)も増えているとか。定年後でまだ元気な世代や芸術家、工芸家がそうした情報に出会える拠点があればよいなと思いました。
[景観]
廃屋というわけではありませんが、桜井駅に近い本町商店街は店を閉じて何年にもなる商店がほとんどでゴーストタウン化している現実を目にしました。大型スーパーの進出などもあり、跡継ぎ世代が店を継がずサラリーマンになっているという例が多いようです。
その中で踏ん張っている跡継ぎさんもいらっしゃいます。昔は祭の夜店も大いに賑わったせっかく駅に近い商店街、せめて7月7日だけでも夜店の賑わいを取り戻す取り組みで、踏ん張っているグループもあるとのことで、希望の火種はあります。現在、すぐ近くに大型のスーパー出店が予定されているけれど、それを逆手にとって人出を誘導し本町商店街にも回遊させるような新しいイベント等を立ち上げる知恵もあっていいはずと、まとめでも多くの意見がありました。それには七夕パワーを周辺の皆ももっと連携して楽しく盛り上げる必要があるでしょう。
[買い物]
本町商店街にも回遊可能なところの一つが「とれとれ市場」です。野菜が1パック100円前後から、国産榊1束100円は一般スーパーに比べ非常に安いです。しかも近隣の生産者の名前入りですから安心感もあります。とれとれ市場にないもので、最終的に本町商店街で買い物をして駅に戻る回遊コースつくり可能と思われます。〝麹屋〟さんもありましたが、安心食材としての味噌づくり教室などの集客も一つの例として考えられるでしょう。
[地名]
海柘榴市(つばいち)の地名は、遣隋使、遣唐使の発着など日本の国際交流の歴史に大きな意味を持つ場所です。その割には、河川敷に子供の遊具のような馬が配してあるのと、堤防にタイル絵で海柘榴市の風景を見せている程度というのは気になります。特に馬が参加者に不評でした。遣隋使小野妹子が、隋使裴世清(はいせいせい)を伴って帰国し飛鳥の京に入るとき、錺馬(かざりうま)75頭を遣して、海柘榴市の路上で額田部比羅夫に迎えさせたという歴史を語るにはあまりにも子供だましの観をぬぐえません。
7世紀の大規模な市「海柘榴市」に因む、道の駅クラスの施設があっていいのではというのが参加者からでた意見でした。というのも、山の辺の道や長谷路、伊勢街道の観光の要衝にもなることも道の駅の企画次第で可能です。古代に若い男女が歌の交換で出会いを楽しんだ歌垣の地でもあります。もったいないほどの立地が、このまま推移すると大型スーパーが周辺の普通の住宅地になってしまうことが懸念されます。
[施設]
ごく最近とれとれ市場の近くに移転しオープンしたばかりの木材振興センター(あるぼ~る)を見学しました。目の前は大型スーパー建設予定地です。そこにくるお客様に木材の町桜井をアピールする役割があると思われますが、外観からはそれが感じられない(移転前の木作りの建物の方がよかった)という意見がもっぱらでした。イベントホールの内装はさすがに木作りなので、こちらでの催しととれとれ市場、本町商店街のイベントなどの回遊性をどれだけ作り出せるかがテーマといえそうです。
[面白発見]
大神神社拝殿の杉玉が新酒を表すグリーンの大杉玉に掛け替えられていました。杉の葉の色がお酒の熟成度を表すとのことで、つい最近まではすっかり茶色に熟した杉玉でした。大神神社は醸造の神様としても名高く、全国の醸造元は競って大神神社の杉玉を求め、軒先に吊るすのが慣わしです。
[体験]
本日のまとめはここまでの報告に反映していますので、最後に訪れた奈良まちおこし結び会への意見のみまとめます。「せんとくん」「まんとくん」もやってきて、それなりに盛り上がりはありました。各団体の体験コーナーも盛況ではありましたが、各地のまちおこしがどこまで平城遷都1300年祭に結びついているか疑問というのが大方の意見でした。1300年祭にどうかかわるのかという町おこし団体への問いかけ自体も弱いと感じられます。2010年はもう待ったなし。風景街道まほろばとしても、今年10回に分けて調査したまほろばロードの「1300年の道」としての提案も大詰めです。
次のまほろばロードは12月下旬に桜井~明日香村万葉文化館を歩きます。
タイル絵として描かれた隋使出迎えの錺馬(かざりうま)
子どもの遊具のような河川敷の錺馬(かざりうま)模型
地産地消の拠点を目指すとれとれ市場