2008年9月28日 まほろばロード「平城宮跡~東大寺」を歩く

第5回フィールドワークは前回の山の辺の道北道と平城宮跡をを結ぶ奈良市北部を歩きました。20年度に10回に分割して計画した平城京~飛鳥京の古代の都ををつなぐまほろばロードも、ちょうど半分を歩いたことになります。参加者は地域のNPO、行政マン、研究者、学生とさまざまですが、それぞれの立場を離れて歩いてみよう。歩いてみた発見を持ち帰ろうといったスタンスでの集まりも、回を重ねるにつれてネットワーク形成のまとまりも見せ始めています。10回で全行程を歩きぬいたときのプラスアルファーが今から楽しみです。

<集合日時・場所>
平成20年9月28日(日)9:20am 平城宮跡遺構展示館前

<行程>
平城宮跡遺構展示館~水上池~コナベ池~ウワナベ池~24号線JR線~不退寺~奈良高校前~中央消防署~奈良市ボランティアセンター~少年刑務所~植村牧場~蛭子橋~正倉院~東大寺~県庁にて本日のまとめ

[人]
●奈良市景観課 徳岡健治さん
前回に続き、全行程をご案内いただきました。

[面白発見]
●平城宮跡では、2010年の平城遷都1300年に向けて現在第一次大極殿の復元が進められています。この日平城宮跡遺構展示館前に集合したとき、平城宮の背景に金剛・葛城の山並みがくっきりと浮かんでいました。奈良時代、奈良盆地の北端のこの地に大和の国を支配する都があったことを実感できる情景でした。今後復元建物が増えていっても、1300年前と変わらない平城宮からのビューポイント、外から平城宮を見るビューポイントなどを大切に、大都会化していない奈良ならではの景観を観光資源として生かしていきたいものだと思いました。

[提案]
●今回のルートのスタートはは農業用水や古墳の堀端の水辺の道でした。水上池ではいきなり危険な景観が眼に飛び込んできました。釣堀として使われていた桟橋がぼろぼろに壊れ、もし子供たちが乗って遊ぶようなことがあればと心配されます。
水辺の道のガードレールに擬木風ペイントを施したところがあり、水辺の道にはあまりマッチしているとはいえません。古墳と集落の間の道は古墳側は草まみれ、集落側はきれいに整備されているといったアンバランスが目立ちました。本来よいの景観なので、例えば「水辺の道」、「古墳の道」などのカテゴリーに分けてすっきり整備することが考えられます。折角ある古墳にも解説の案内板なども欲しいというのが、歩きながらメンバーから出た意見でした。

●少年刑務所はあまり観光パンフレットにも出てこないけれど、明治41年建造のままの名建築であること、高台の立地から大仏殿などのビューポイントとしても隠れた観光資源であることが分かりました。威風堂々とした建物のいわれなど何も案内しないのはもったいないという意見がありました。施設の性格上難しい面はあると思われますが、研究課題ではあろうと思われます。因みに一年に一度少年刑務所の中で開催される「奈良矯正展」は、全国の刑務所で生産した家具や小物、食料品などが販売される人気のある催しで、このときは刑務所側でも積極的にPRをされているようです。

[景観]
●不退寺周辺の集落には彼岸花が美しく咲き誇っていました。彼岸花は球根を植え、彼岸の前に一斉草刈などを行って初めて美しい花の盛りを見せてくれます。近隣集落の環境への意識の高い取り組みがうかがえました。ここでもアンバランスに感じたのは不退寺の堀の汚れ、境内でほていあおいなどを栽培しているらしい水色の容器などが山門から見えることなどです。

●奈良高校周辺まで行くと、世話の行き届いた「しあわせ地蔵」が鎮座していました。地蔵さんがきれいなところは町も小ぎれいという印象です。生垣の足元に植えられた道行く人を楽しませる花に、ようこそのもてなしの心を感じてホッとすることができました。

●今回ホッとするのを感じたものに歴史の道の石の道標があります。古道にも要所に石の道標がありますが、現在の周遊コースにもこれがあると心が安らぐという感想がが多くありました。ただ道標によっては手前側の観光名所を案内していたり、向こう側を案内していたりという不統一が若干ありました。行き過ぎてしまった人にわかりやすくする意図なら〝手前三百メートル〟、この先を案内するなら〝これより三百メートル〟とするほうが分かりやすいのでは?との意見もありました。

[体験]
●まちかど博物館にもなっている植村牧場で今回ののんびり体験です。動物好きにはたまらない心和むスポットで、絞りたての牛乳やフレッシュなソフトクリームを味わうことができました。真向かいにあるコスモス寺として有名な般若寺観光との相乗効果も結構あるように見えましたが、植村牧場は入場無料なのに対し、般若寺の拝観料500円はちょっと高いとのブーイングも聞かれました。般若寺はコスモスの盛りでそれなりに人出はありましたが、、、。

[調査のまとめ]
・バラエティにとんだ散策ができるルートとして、道の持つ表情に「生垣の道」「白漆喰の道」「古墳の道」等のネーミングをしていくつかのルート開発を行ってみてはどうでしょう。
・水辺の整備を行うことにより、例えば時代劇の撮影を呼び込むことも可能な景観づくりも可能かもしれません。
・奈良市ボランティアセンターがiセンターのような情報拠点にならないかとの提案と、各ポイントの案内板にはコース全体のどの部分にいるのか、これからどのようなコースを選んで歩けるのかといった情報が連携している案内板の設置や改善を望む声もありました。
・本日の万歩計表示は12,152歩。知らない間に1万歩以上を歩いていたことになります。約7.5km程度のコンパクトながら魅力的なウオーキングコースが提案ができそうなエリアでした。

次のまほろばロードは10月中旬に飛鳥京の南部~藤原京を歩きます。

危険な桟橋危険な桟橋

しあわせ地蔵しあわせ地蔵

植村牧場で自由に会える牛クンたち植村牧場で自由に会える牛クンたち